私たちの体の60%を占める水分。
海老名に住む人ならば、その水分の大部分は丹沢の山をめぐって私たちの体
内にやどります。
というわけで丹沢の自然保護運動を展開して参りたい私たちは前回の予備調
査に続き、本日本隊となる「丹沢自然環境調査隊」(5名)を現地に派遣しまし
た。そして前回ご紹介した問題のほかにも様々な実態を確認してまいりました
のでここにご報告申し上げます。
いやはや海老名では雨は降らなかったようですが、丹沢の上では深い霧と雨
が私たちを包み、行動は困難を極めました。(丹沢山山頂にて)
しかしその分、堂平のブナは幽玄な姿で我々を向かえてくれました。神秘の
雨音は、今私たちに何を語りかけようとしているのでしょう?(堂平)
丹沢の環境問題、その1・土砂の流出
鹿などによって草木は食べつくされ、むき出しになった土砂は雨に流され木々
の根は丸裸となって無残な姿をさらしています。(天王寺尾根付近)
丹沢の環境問題、その2・ブナの立ち枯れ
大気汚染ー酸性雨?温暖ー乾燥?菌の繁殖?寿命?原因は明らかにならない
まま植物の植生の頂点に立つブナの立ち枯れは進んでいます。(堂平)
やがて朽ち果て、行く手に横たわるブナの群れ。
丹沢の環境問題、その3・踏み荒らし
登山者などによる踏み荒らしで山の峰は深く傷つき、その窪みがやがて水を
流し水はさらに地をえぐり・・・写真の薄茶色に見える部分はかつての登山道
を修復するために荒い麻布を敷いて植物を養生している現場。しかし左側の新
しい登山道はすでにえぐれ始めています。
丹沢の環境問題、その4・ゴミ投棄
写真が小さく見えにくいのでよく目を凝らしてみて欲しいのですが、土の中
からガラスビンや空缶など様々なものがむき出しています。砂防ダムの建設現
場付近や山荘の付近ではビンや缶などのゴミが山肌に食い込んで、その様子は
慙愧に耐えません。以前は見えないように埋めたものと思われますが、月日は
土砂を洗い、やがてかつての蛮行が消えない爪あととなって姿を現すのです。
建設現場付近ならそれを投棄した業者は分かっているはず。責任を追及し片
付けさせるべきと思います。
丹沢の環境問題、その5・鹿の食圧
丹沢のあちこちで見られる実験現場。写真に見られるのは、仮に鹿に食べら
れなかったら下草類はどのくらい生えてくるのか?という実験を県が行ってい
るものです。写真の左側は鹿に食べられないように防護網で守られており青々
と下草(笹など)が生い茂り、そうでない外側(右側)は鹿(など)に食われ
てしまうためほとんど草が生えていません。
何度も繰り返しますがその結果が土砂の流出と山の崩落となるのです。鹿の
食圧によって衰退した植物で代表的なのがスズタケで他にクガイソウ・オオモ
ミジガサ・レンゲショウマなどです。
丹沢の環境問題、その6・バイケイソウの繁茂
元来丹沢の山ではあまり見られなかったこの大柄な草は鹿が食べないもので
あるため難を逃れ繁茂し、今や一面に広がり丹沢山系でも最も頻繁に見受けら
れる植物の一つとなっています。
丹沢の環境問題、その7・お金を出してわざわざ外来の植物を植える行政
ウーピングラブグラス、やシナダレスズメガヤと言う外来の植物が崖の土留
めとして植えられています。コンクリートで固めるよりまし?なのかも知れま
せんが、その植物を移植することで将来にわたって日本の植生にどのような影
響があるのか?県当局は確証をもってこのようなことをしているのでしょうか?
現にシナダレスズメガヤが下流域の河原に繁茂し始めているという報告もあ
ります。
丹沢の環境問題、その8・間伐
かつて植林された杉やヒノキなどの木々は放置され、過密なまま鉛筆のよう
に細いまま育ち、花粉を撒き散らし、地表は光がさえぎられ山肌に植物は育ち
ません。やがて台風でもくれば軟弱な木は根ごとなぎ倒され・・・・
密植の森は前回ご紹介しましたが、今回は間伐が行われて大きく育ち光がさ
しこむヒノキの森をご紹介します。
丹沢の環境問題、その9・ヒルの大量発生
近年丹沢山系にヒトの血を吸うヤマビルが大量に発生しています。小さなミ
ミズのような外見のヒルは今日も私たちの足元を這い上がってきたり、樹木の
上から首筋に落ちてきたり・・・・・あいにく小さくて写真には収められませ
んでしたが、出合った釣り人が血だらけの足からヒルをむしりとっている光景
を目の当たりにしました。
「自然を破壊する人間はここに入ってくるな。」と自然が我々に警告を発し
ているのではなかろうか?
その他、川では移入魚類による生態系のかく乱、水質の汚濁によるカジカガ
エルの減少、30頭前後生息しているツキノワグマが高速道路建設によって行動
範囲を遮断されて孤立化していること、などなど詳しいことは下記のホームペ
ージをご覧頂いても大まかなことを知ることができます。
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/05/1644/genzyou/genzyou-kadai-1.htm
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